海のはじまり のうた

今日は、近所を散歩中、民家の庭先で
明るい黄色のロウバイと鮮やかな朱色のボケが
咲いているのを見かけました。
(ボケは薄いピンク色が一番好きなのですが)
どちらも寒中にいち早く「春遠からじ」と告げる花として
好きなので、嬉しくなりました。

さて、先日、とても素敵な詩を知りましたので
ご紹介します。

工藤直子さんの「海のはじまり」です。

ひとはみな
心のなかに海をひとつ もっている
その 濃いみどりの海のうえに
ときどき ちいさな魚がはねて
ときどき ちいさなしぶきがたつ
ひとの心のなかに
いつ 海はうまれたか

おそらく むかし
ーなにが悲しいのか
  わからないほど ちいさく
  なにがつらかったか
  忘れてしまうほど むかし
ひとはみな
はじめてまるい口をあけて泣いた
あのときの涙の粒が 海の はじまり

泣くたびに流れた塩からい涙は
だれにも知られね場所に
あふれあふれ
ーそれはたしかに 悲しみの波
 それはたしかに つらさのうねり
それはたしかに そうなのだが
ごらん いつのまにか
涙の海に 生まれてそだった
泳ぐものたち
笑い 歌い そして遊ぶ 泳ぐものたち

ひとはみな いつだって
塩からくて にぎやかな
海を 抱いて いるのだ



とても深い詩ですね。
自分の中の「塩からくて にぎやかな 海」を感じながら
自分の外の自然の繊細な恵みを味わいながら
生きていたいものだと思います。

では、また!

この記事へのコメント

roko
2020年01月12日 20:06
ももんがさん
素敵な詩を紹介してくださってありがとうございました。
私も私の「塩辛くてにぎやかな海」をしっかり抱いて生きていこうと思います。
自分では何も作れないけれど、若い頃から短歌や詩を読むのは大好きです。
学生時代には何と「英詩研究会」などというものに属していました。77才になった今でも時々その頃の詩を思い出すことがあります。
ももんが
2020年01月12日 23:54
rokoさま
コメントをありがとうございます。同じくこの詩を良いと思ってくださった方から、反応をいただくと嬉しいです。
「英詩研究会」ですか。高尚な感じがします!
英語の詩には、押韻とか、日本の短歌や詩とはまた違った味わい方があるのでしょうね。