大地 三谷幸喜の俳優論

パルコ劇場で「Social Distancing Version」と銘打って上演されている
三谷幸喜の新作舞台「大地」をライブ配信で観劇しました。
約3時間の長丁場でしたが
やっぱりライブのお芝居はいいです♪♪

三谷氏いわく「僕の『俳優』論」だという今回の作品。
東欧の架空の独裁主義国家で
反政府とみなされた俳優たちが強制収容された
施設での人間模様が描かれます。
農作業への従事を強制され、演じることを禁じられるという
コロナ禍の現況にも通じる閉塞感の中で
演劇好きの収容所スタッフのいわば道楽のため
俳優たちは芝居を演じることになります。

装置も設定や演出も、Social Distanceに十分配慮されていながら
観客にそれと意識させず、あくまで自然に演じられていて
プロの仕事だなあと感心させられました。

そして何より
単純な演劇礼賛、俳優礼賛ではない
苦みの効いた、でも喜劇、というところが
三谷氏らしい一本です。
氏の、俳優は勿論観客を含めた演劇界全体への愛情が
舞台の端々に滲んでいるという趣の
このご時世にあって、特に記憶に刻み込みたい舞台でした。


「やるべきことはわかっている。
発声練習と柔軟、覚える台詞があるならそれを覚える。
たとえ明日地球が滅ぶとしても」


並々ならぬ思いがうかがえるセリフです。


俳優陣では
大泉洋さんが如才なさと弱さを過不足なく見せ、達者
山本耕史さんは、肉体美とナルシストぶりが嫌みにならない
浅野和之さんのパントマイムは素晴らしい身体能力
栗原英雄さんの渋い声が相変わらず素敵
竜星涼さんは、その名のとおり涼やかな魅力
といったところが印象に残りました。

はあ、劇場で観たかったなあ…
でもライブ配信ならではのサービス
幕間の三谷氏と俳優陣のトークも面白かったので、よしとしましょう。

(恐らく少なくない)赤字覚悟で公演開催に踏み切ってくれた
関係者全ての皆様に、改めて大きな拍手を送りたいです!!

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