プロメテウスの火~映画「ジョーンの秘密」を観て

イギリスの名優ジュディ・デンチの出演に惹かれて
映画「ジョーンの秘密」を鑑賞。

ジュディ・デンチの存在感と繊細な表情が流石だったし
サスペンス、青春、恋愛、友情、女性の社会進出問題と
様々な要素が盛り込まれ、尺の長さも適度で
なかなか見応えのある映画ではありましたが、
若き日の主人公への感情移入の点などで
釈然としない感覚が残りました。

Yahoo!映画のサイトから、あらすじを。

夫亡き後、イギリス郊外で穏やかな余生を送っていた
ジョーン・スタンリー(ジュディ・デンチ)は
2000年5月、突然家を訪ねてきたMI5のエージェントに逮捕される。
50年以上も昔、ロシアのKGBに核開発の機密情報を流したスパイ容疑だという。
無罪を主張するジョーンだったが、彼女の息子で弁護士として立ち会う
ニック(ベン・マイルズ)も知らない過去が次々と明かされていく。


波乱万丈のスパイ物かと思いきや、話は意外に淡々と進む印象。
原爆が出てくるだけに、日本人が観た時の感情は微妙かと思われますが
少なくとも私は、
「ソ連側に原爆開発の情報を流したのは、核の力の東西均衡を図るため」
「(自分のスパイ行為によって)平和が続いてきた」
というジョーンの主張に、すんなりとは納得できませんでした。

そういう見方も成り立つかもしれないけど
それはあくまで「結果」の、しかも一面でしかないと思うからです。
でも、当時の知識人には、ソ連に理想を託していた人も多かったのでしょうね。
日本でも北朝鮮を礼賛していた人が少なからずいた時期がありますから。
後からなら、どうとでも言える、というのも真実でしょう。

なんだか、もやもやしたまま帰宅しましたが
「もやもや」を「うやむや」にしないことが
歴史に学び、今を誠実に生きるためには、大切なのかもしれません。
私にはやはり、原子力は、人類が手を出すには危険すぎる
「プロメテウスの火」だと思えてならないのです。

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