「パブリック 図書館の奇跡」と「怒りの葡萄」のDNA

映画「パブリック 図書館の奇跡」を観てきました。

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映画の公式サイトより、まずどんな映画かをご紹介しましょう。

ある公共図書館の元副理事がロサンゼルス・タイムズに寄稿したエッセイに
インスピレーションを得て、完成までに11年を費やし監督したのは
名優エミリオ・エステベス。
米オハイオ州シンシナティ。記録的な大寒波により、
緊急シェルターがいっぱいで行き場がないホームレスの集団が図書館を占拠した。
突如勃発した大騒動に巻き込まれたひとりの図書館員の奮闘を軸に、
笑いと涙たっぷり、予測不可能なサプライズも盛り込まれた感動作。


勧善懲悪、観終わってすっきり、気分爽快
というタイプの作品ではありません。
図書館のありかた、図書館員の矜持、ホームレス問題、
前科持ちの更生、政治家の資質、報道の偏りなど、
多角的に題材を取り上げ、軽妙な味付けで料理しています。
印象に残った箇所を三か所ほど。

スタインベックの名作「怒りの葡萄」の一節を主人公が暗唱する場面が
とても良かったです。
今も「10代の必読書」なんですね。
「怒りの葡萄」のDNAが今も息づいているのだなあと
アメリカ国民の伝承の骨太さに、しみじみ感じ入ってしまいます。

二つ目は、ホームレスの一人が主人公に言う言葉。
「神は人に声を与えた。それを使うか黙るかだ」
ホント、そうです。

そして三つ目はやはり、館長のこのセリフ。
「図書館はこの国の民主主義を守る最後の砦だ。戦場にさせてたまるか。」
どう見ても「決めにかかっている」台詞ではありますが
やはり心に響きました。
同じく図書館の公共性を取り上げた映画
「ニューヨーク公共図書館」を思い出しました。
(映画の感想を載せた当ブログの記事は
https://37600555.at.webry.info/201907/article_5.html )

今回の映画の原題は「パブリック」です。
「あらゆる人に開かれた公共の場」である図書館。
公共がちゃんと公共として機能する社会であることを願います。
社会の担い手の一人として
ちゃんと目、耳、口を働かせなくてはなりませんね!

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