「戦場のコックたち」読了

深緑野分さんの小説「戦場のコックたち」を読み終えました。
第二次世界大戦中のヨーロッパ戦線で戦う
アメリカ人の特技兵(コック兵)の物語です。
(以下、ネタバレあり)

戦場のコックたち_.jpg


祖母の影響で料理が好きなアメリカ人青年ティモシーは兵役を志願し
18歳で空挺部隊のコック兵としてノルマンディー降下作戦に従軍する。
ヨーロッパの対独戦線を転戦しながら、
戦場という特殊環境で発生する奇妙な謎を解明していく中、
同年輩の仲間たちと強い絆で結ばれていく。
戦況の激化とともに、
夥しい死や負傷、戦争神経症、混乱に乗じた成りすましなど
凄惨な戦争の実相が、容赦なく彼らを襲う。
そして終戦。平和な日常に戻っていく彼らの、複雑な心情。
エピローグでは、壁崩壊直後にベルリンのマクドナルドで再会した
かつての兵隊仲間たちの、穏やかな会話が交わされる。

戦記物、謎解き、人種差別、人間模様、青春、成長譚
と、様々な要素が重層的に描かれ、ずっしりした読みごたえがありました。
「キッド」と綽名されるナイーヴな主人公の、心情や気構えの変遷が
丁寧に辿られていて、感情移入しやすかったです。

帰還後の主人公にかける祖母の言葉が、とても印象的。

痛いのを我慢する必要もないし、
痛くなくなったことに後ろめたさを感じる必要もないの、ティモシー。
スープの味を含ませるのと一緒。少しずつ、焦らないこと。


この一冊のおかげで、数日間、充実した時間を過ごせました。
そう、少しずつ 焦らないこと…。
肝に銘じて、やっていきましょう!

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